iRacing の Safety Rating はどうやって決まるのか

iRacing内でドライバーの安全度合いを示すSR(Safety Rating)、3.0まで上げて上のクラスに上がったらSRの値が下がっていたり、レースによって上がったり下がったりする幅がてんでバラバラだったり、訳が分からない値ですよね。

面倒でこれまで放置していたんですが、以下にまとめてみました。

CPI(Corners per incident)

SRには計算元となる値が存在します。CPI(Corners per incident)と呼ばれる、クリアしたコーナー数をその間に受け取ったInc.(Incident)で割った値です。例えば、コーナー数が10のコースで20周のレースを行って、Inc. x4だった場合、コーナー数200を4で割ってCPIは50となります。

ライセンスごとのSR・CPIカーブ

John Henryのこの投稿(2009/02/03)に、ライセンスクラスごとにSafety Ratingに必要なCPI値が書かれています(NEW Safety Ratingが現行)。

また、この投稿からは、Safety Ratingの計算は単一の走行結果によるものではなく、最新の約2000コーナー分の走行履歴からCPI値を算出していることが伺えます。


まとめるとこんな感じかと。

CLASS Safety Rating n.nnに必要なCPI CPI計算対象
コーナー数
2.03.04.04.99
Rookie7.51522.533.8 1125
Class D11.2522.533.850.5 1350
Class C16.933.850.576 1620
Class B25.2550.576114 1944
Class A3876114171 2333
Pro57114171256.25 2333 ?

例)

  • Rookie SR 3.0 要件
    • 最新の1125個のコーナーでCPI=15 ==> 1125 / Inc = 15 ==> Inc. = 75
      コーナー10個のコースなら112.5周の間にInc. x75
  • Class A 4.0:
    • 2333 / inc = 114 ==> Inc. = 20.5
      コーナー10個のコースなら233.3周の間にInc. x20.5

走行後のSR増減は走行前後のSR差でしかない

ある走行セッションを終えてのSR増減は、走行前のSR計算結果と、走行後のSR計算結果との差がリザルトとして記録されているのです。そのセッションでの走りがどれだけよかったか、を示す値ではないということですね。
そのため、同じセッションを走っているドライバーが同じInc.であっても、それぞれSR増減幅には差が生じます。

おまけ 1:セッション種類によるInc.倍率

各セッションごとに、CPI計算用Inc.カウント倍率が以下のように決められています。

セッション倍率
Test0.0
Open Practice0.0
予選(1台ずつの)0.35
予選0.5
Time Trial0.35
オフィシャル レース(Warm up)0.5
オフィシャル レース1.0
アンオフィシャル レース(Warm up)0.35
アンオフィシャル レース0.35
※FIRST Sporting Code 2.7. Corner & Incident Multipliers に書かれています

おまけ 2: コーナー数

このアナウンス(Corners-per-lap changes to some oval track configurations)でショートオーバルのコーナー数が4から2、トライオーバルが5から4に減らされており、Daytona OvalのTrack Infoではコーナー数が4となっていますが、BristolのTrack Infoではコーナー数は4となっています。
このことから、SR計算に使われるコーナー数と、トラックの実際のコーナー数とは、必ずしも同じではないのだと思われます。

iRJAへ掲載した記事はこちら

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